「lycoris -リコリス-」（末枯れるひがんのかたわれの）

あおむし赤果 · lycoris - リコリス

咲き　乱れた　【悲願】の花は
いずれ　雨に　縋すがられ末枯れる
閉じたままの　天蓋てんがいの先に
無常に横たわる　真っ赤な骸むくろ

始まりを暴く方、我に
我は誰、黄昏　問う声に
終点おわりを失った　者、語り部ものがたりへ
標しるべの火を灯そう

壊れた　過去きのうのその果ては
呪縛となって生を　蝕むだろう、けど
崩れた　未来あしたのその先は
依り添うように　遠く遠く続いている

共に咲き死折しおれ　散る命に
手向けは此岸しがんに　染まる色
数々の罪重ねの結末
見届ける　眼と目の間に。

壊れた　過去きのうのその果ては
呪縛となって生を蝕むだろう、けど
崩れた　未来あしたのその先は
依り添うように遠く遠く続いて、

目指した未来あしたの　その果ては
白い花を散らして泣いているけど
届いた過去きのうの　言葉の先は
一時だけは憩イコいとなるのだろうか

（あなたはいない、もうどこにもいない。）
（あなたはいない、雨が降る。）

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2018. 2.10　『末枯れるひがんの片割れの』エンディング