「Ephemeris」

あおむし赤果 · Ephemeris -エフェメリス-

ひとりじゃダメなんだ
流れる星は
輝く涙をこぼしながら　夜駆ける
今日も一人　闇雲に　進みながら
本当はいつでも　誰かを　待ち続けた
いたづらに　（たわむれて）
迷って　（さがして）
気がつけば
見つけてたんだ　一つの結論こたえを

掌に　指先に　流れて　流れて
涙雨を振り払って　染め上げる空は
ゾッとするくらい　澄み渡る　青色で　青色で
その彩られた世界で　いつか誰かを
導く　道標しるべになるだろう

もっと強く　手を伸ばして


誰でもよかったなんて
思っていたけど
君じゃないとダメだった　そう思う
流れ星は　やがて己の　終焉さいごを知る
燃え尽きる前に　強く　瞬きながら　
後悔も　（あざむいて）
したけど　（のみこんで）
気づいた
この想いだけは　誰かに残ること

掌も　指先も　離れて　離れて
最後のその瞬間に　見つめた君は
ゾッとするくらい　きれいに　微笑んだ　微笑んだ
その澄んだ色の瞳が　いつか未来で
新たな星に　なるだろう

闇を照らす　一等星に


それは　夢　のような話
夢はいつか　覚めるもの
幼い戯れが　続かない　ように
（もういいかい？）

回り廻る　夢想ゆめの船から
一人　一人　降りてゆく
時の止まった　私たちを　残して
（今行くよ）


掌を　指先を　伸ばして　伸ばして
遠ざかって行く君を　呼び止めてみたら
ゾッとするくらい　泣きそうに　微笑んで　微笑んで

「さよなら」を告げた


掌に　指先に　流して　流して
最後の翼を広げ　飛び立った空は
ゾッとするくらい　闇色で　その中に　輝いた
暁あけを告げる光が　いつか、君の
未来を　照らし出すだろう

もっと強く　遠く手を伸ばして

もっと強く　その火を灯して