願事墜落 -ネガイゴトオトシ-

はぐれ鴉焼かれて堕ちた
虚ろな目に紅い空映して
何も見えない曇り硝子の
眼鏡なんて壊して捨ててしまえば

夜魅より深く誘う腕
踏み入ったら二度と浮上れない沼
終わり見えない千本鳥居の
隠れん坊の最後の一人は誰
かごめかごめ 花織錦おるにしき紅葉こうようの宴えん
とおりゃんせ どちらが鬼か
斬って捨てて舞っているよう
散花山茶花さざんか乙女夜叉
願い抱いて待っているよ
愛か哀かわからないか
どうか振り向いて 愛を嘯うそぶいて
だけどあなたはどうして
まるで泡沫

囲め囲め 華顔はなかんばせ薄紅の乙女
天神様の 細道戻さぬ
切手思い届きますよう
眼下願掛け祈る手は
願いだけを滞らせぬよう
恋が故意がわからないの
どうか私を見て 愛の嘘ついて
だけどあなたはどうして
遠ざかってく

（「かごめかごめ」「かごのなかのとりは」
　「いついつでやる？」「夜明けの晩に」

　かごめかごめ　かごのなかのとりは
　いついつでやる　夜明けの晩に

　「後ろの正面だあれ？」）

斬って捨てて舞っているよう
散花山茶花乙女夜叉
奇麗事で純潔守る
哀歌愛歌届けたくて
どうか名を呼んで甘い口づけを
だけどどうしてあなたは
一夜の夢で

どうか振り向いて 愛を嘯いて
だけどあなたにさよなら
願事墜落ネガイゴトオトシ