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創作のネタとかいろいろ

駄文欠番【約束】

 それを手に入れる為にここまで来たのだと、私の前に現れたあなたははっきりとそう言った。

 私とあなたの持つそれは、元々一つだったのだと。二つに別れて歪になった欠片なのだと。あなたは確かにそう言った。

 二つを一つにするために来たはずのあなた。だけどあなたが私から奪うことは終ぞなかったわ。

 ねえ、私のことはもういいの。……私のことはどうでもいいのです。

 だから全てが起こってしまうより先に、私の持つ一欠片をどうか持ち帰ってください。

 本来あなたに全て与えられるはずだったのです。私には過ぎたる力なのです。

 だから、どうか。さあ、はやく。





 それを回収する為に俺は来た。
 しかし運命の片割れは既に別人の中に根付いていて。

 引き離すことは容易いことだが、彼女の中からその一欠片を奪ってしまえば、彼女は忽ち塵と化すだろう。

 だのに俺に目的の達成を急かす彼女は、何か俺の預かり知らない事を知っているようだった。

 君は何を知っているのか。

 君は何を見たいうのか。

 どうでもいいなんて、そんなわけがあるか。そんなことを言う君は、いつだって泣いてるじゃあないか。




 終わる終わる世界の中で、私たちは約束したのです。

 今度こそ私を殺してね。


 また繰り返す世界の中で、俺達は噛み合わない約束をした。

 次こそ君を助けるから。


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2014. 7.19 2983541回目

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